表紙 |
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阪本典久(さかもとのりひさ) |
著者の経歴
昭和23年9月 愛媛県松山市生まれ
昭和46年3月 愛媛大学教育学部卒業
昭和46年4月 三瓶町立二木生小学校
昭和50年4月 松山市立石井小学校
昭和56年4月 松山市立余土小学校
昭和60年4月 小田町立田渡小学校
昭和63年4月 松山市立湯築小学校
平成 4年4月 松山市立由良小学校釣島分校教頭
平成 7年4月 松山市立味生小学校教頭
平成10年4月 長浜町立大和小学校校長
平成13年4月 小田町立小田小学校校長
平成16年4月 松山市立浮穴小学校校長
平成19年4月 松山市立石井東小学校校長
平成21年4月 定年退職後 教育委員会勤務 |
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思考力・表現力を育てる算数教育
―問題解決の過程を重視した指導―
平成21年3月1日 発行
著 者 阪本典久
〒791−3133
愛媛県伊予郡松前町昌農内145−1
TEL (089)984−2326
印刷所 セキ株式会社
〒790−8686
愛媛県松山市湊町7丁目7−1
TEL (089)945−0111(代)
体 裁 A4版 85ページ |
算数教育―指導案 目標 課題 問題点 問題解決 実践研究 指導法 |
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発刊にあたって
昭和56年の秋、当時の文部省初等中等局教科調査官の伊藤説朗先生に、(分数)÷(整数)の計算の仕方の授業を参観していただく機会を得ました。早速、分割分数を用いた指導案を作成して、数学委員会の研究部会に臨みましたが、考える力を育てる場がない教師主導型の指導案だったため、すぐさま、やり直しを命じられました。私としては、直していただけるものと信じていましたが、何の審議もなく突き返されたのでした。
そのときに手渡された資料「(分数)÷(整数)の計算の仕方の要点が書き記されたもの」を手掛かりに、
○数値線を利用して演算決定をする。
○学習課題「(分数)÷(整数)の計算の仕方を考えよう」を設定する。
○「(分数)×(整数)のときに分子に整数をかければよい」とまとめたことを生かして、まず分子が整数でわり
切れるものを解決させる。
○「(分数)÷(整数)も分子を整数でわればよい」とまとめた後、分子がわり切れない分数を提示し、新たに
生まれた学習課題「分子がわり切れないときはどうすればよいか考えよう」に取り組ませる。
○個人差に応じるため、解決の糸口がつかめない児童に、解決の手順を示した学習プリントを渡す。
○大きさの等しい分数をつくったり、面積図を用いたりして答えを求めている児童に解決の仕方を発表させ、
それぞれの考え方のよさに触れさせる。
○式と考えを十分観察させ、「(分数)÷(整数)は、分母に整数をかければ答えを求めることができる」ことに
気付かせる。そして、最初に取り扱った分子が整数でわり切れる計算も、分母に整数をかけて答えが出る
か確かめ、本時のまとめとする。
など、改善点を加えた指導案を作成し、授業を公開しました。
これが、問題解決の過程を重視した指導との出会いでした。そして、数学的な考え方を伸ばすためには、この指導法が大切であると確信し、学習課題の与え方、自力解決の時間の保障や教師の役割、個人差に応じる方策、効果的な発表の仕方、練り合い・高め合う集団思考のあり方などに視点を当てて、30年間にわたって実践を重ね、思考力、表現力などの育成に取り組んできました。
退職を間近に控え、その歩みを記すことにしました。ご一読していただければ幸いです。
平成21年2月吉日
阪本典久 |
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思考力・表現力を育てる算数教育―問題解決の過程を重視した指導― |
目 次 |
発刊にあたって |
第1章 |
問題解決の過程を重視した授業を展開するための要点 |
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1 |
1 |
学習課題を把握させる段階 |
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1 |
2 |
自力解決の段階 |
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4 |
3 |
集団思考の段階 |
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5 |
4 |
まとめの段階 |
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6 |
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第2章 |
算数的活動について |
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7 |
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第3章 |
数量の関係を把握させる指導の在り方 |
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11 |
1 |
数量の関係が明らかになるノートのとり方 |
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11 |
2 |
数量の関係を数値直線上に表す方法 |
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12 |
3 |
数量を言葉で表す方法と数量の関係を数値線上に表す方法を合わせた指導 |
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14 |
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第4章 |
問題解決の過程を重視した学習指導案 |
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20 |
(その 1) |
三角形の面積 |
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20 |
(その 2) |
複合図形の面積 |
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24 |
(その 3) |
いろいろな形の面積 |
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27 |
(その 4) |
図形の拡大と縮小 |
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30 |
(その 5) |
繰り下がりのあるひき算 |
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34 |
(その 6) |
長さしらべ |
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36 |
(その 7) |
5の段の九九の構成 |
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38 |
(その 8) |
あまりのあるわり算 |
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40 |
(その 9) |
(整数)÷(少数)の計算の仕方 |
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42 |
(その10) |
(分数)÷(分数)の計算の仕方 |
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44 |
(その11) |
平均の意味 |
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46 |
(その12) |
公倍数の求め方 |
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48 |
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第5章 |
実践研究 |
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49 |
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数学的な考え方を身に付けさせていくために、 |
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49 |
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学習指導の在り方をどう工夫し、改善していけばよいか |
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文章題の解決に意欲的に取り組む児童を育てるための指導法の研究 |
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58 |
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速さの概念を育てる指導の研究 |
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71 |
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一人ひとりを生かす学習の場づくりの研究 |
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80 |
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参考文献 |
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内容例 |
体 裁 A4版 総頁数85ページ |
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参考文献 |
○ |
新しい算数研究 |
1985年2月号 |
東洋館出版社 |
○ |
小学校学習指導要領 |
昭和43年 |
明治図書出版 |
○ |
小学校指導書 算数編 |
昭和53年 |
大阪書籍 |
○ |
小学校指導書 算数編 |
平成 元年 |
東洋館出版 |
○ |
小学校学習指導要領解説 算数編 |
平成11年 |
東洋館出版 |
○ |
小学校学習指導要領解説 算数編 |
平成20年 |
東洋館出版 |
○ |
わくわく算数1年〜6年 |
平成16年 |
啓林館 |
○ |
新しい算数1年〜6年 |
平成16年 |
東京書籍 |
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愛媛新聞2009年3月4日 記事掲載 |
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