阪本桃水書「百人一首の世界」Web書道展  トップ   百人一首  桃水作品  
53嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は
  いかに久しき ものとかは知る
               右大将道綱母
ご挨拶
なぜ「百人一首の世界」なのか
一東書道会の競書課題のかな規定部が百人一首の歌を書くようになったのは今から7年前の4月号からでした。それ迄は万葉集、古今集などから出題されていました。
 天智天皇の御製「秋の田の かりほのいほの 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」を半懐紙に清書して出すと、5月には「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」と持統天皇の歌が送られて来ます。1年で12首だから、百首では8年4ヶ月もかかります。
 50首あまりの時に一冊の本にしようと思い付いて半懐紙に2首づつ清書し纏(まと)めて見ました。次に寸松庵色紙を50枚書いて帖を作りますと、かなの手本集が出来ました。一生のよき思い出になると考え、次の作品を手がけています。平成20年には百首書くことが出来るのを楽しみにしています。

                      平成19年3月30日
                                  阪本桃水
寸松庵色紙百人一首1〜10  1〜 11〜 21〜 30〜 40〜 挿絵・書と私
1〜5
@秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
 わが衣手は 露にぬれつつ
天智天皇
A春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
 衣ほすてふ 天の香具山
持統天皇
Bあしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
 ながながし夜を ひとりかも寝む
柿本人麻呂
C田子の浦に うち出て見れば 白妙の
 富士の高嶺に 雪は降りつつ
山部赤人
D奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
 声聞く時ぞ 秋は悲しき
猿丸大夫
6〜10
Eかささぎの 渡せる橋に 置く霜の
 白きを見れば 夜ぞふけにける
中納言大伴家持
F天の原 ふりさけ見れば 春日なる
 三笠の山に 出でし月かも
安倍仲麻呂
Gわが庵は 都のたつみ しかぞ住む
 世をうじ山と 人はいふなり
喜撰法師
H花の色は 移りにけりな いたづらに
 わが身世にふる ながめせし間に
小野小町
Iこれやこの 行くも帰るも 別れては
 知るも知らぬも あふ坂の関
蝉丸
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